「典故300則」その112
2012-12-18


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 今日は“黄泉の国”の話。日本の神話にも、イザナギが死んでしまった妻イザ

ナミを追って黄泉路を通り根堅州国(ねのかたすくに:黄泉の国)に行ったことが

記されている。 これは大和の国ができる千年も前の話である。

 典故300則その112:黄泉 huang quan

 春秋時代、〓庄公は母の姜氏のために弟の公叔段の反乱を助け、姜氏を城

〓に招いて誓った。“不及黄泉,勿相〓也!”その意味は、死ぬまでは母に会い

たくない。〓考叔という人がこの事を知って、〓庄公に忠告したいと思った。

 ある日、〓庄公が〓考叔を食事に招き、彼に食べ物を与えた。〓考叔はわざ

と食べずに残した。〓庄公はどうしたのかと彼に聞くと、彼は母に食べさせよう

と残したと言った。〓庄公は感動して言った。 “あなたには母親がいて孝行が

できるが、私にはその機会がない。”

 〓考叔がどうしてなのか聞いた。〓庄公は国主として誓いの言葉を変えること

はできない。〓考叔が言った。 “地面を掘って水を出し、さらに地下道を掘って、

そこで母と出会えば、誓いに応じられるし、母にも会えるでしょう?”庄公は〓考

叔の提案に応じ、母と子の二人は分かり合えた。

 “黄泉”は本来地下の湧き水のことであるが、その後地下或いは死者が埋葬

された場所を喩える。
[雑学]

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