「典故300則」その283
2013-07-01


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 今日のテーマは喜びの極みを表す言葉、“狂喜乱舞”や“欣喜雀躍”など喜び

のあまり踊ったり跳ねたりするのだが、“折履:下駄の歯を折る”とは、如何なる

ことか。

 典故300則その283:折屐 zhe ji

 屐は底に二本の歯の付いた木の靴(下駄)のこと。晋朝の〓安は武帝の宰相

であった。当時、前秦の符〓が百万の大軍を率いて晋を攻めてきた。〓安は甥

の〓玄に八万の兵馬を率いさせ、応戦に派遣した。〓安の采配が当を得たこと

により、晋軍は意外にも前秦軍を打ち破った。

 晋国が勝利した知らせが建康に届いたとき、〓安はちょうど友人と碁を打って

いた。 〓安は勝利の知らせを見てから、無造作になり、おざなりに碁を打った。

友人は怪訝に思って彼に尋ねた。“先の戦いはどうなりましたか?”〓安は意に

介さぬかのように言った。“子供達が前秦を打ち破りました。” 〓安は顔色一つ

変えない(不〓声色)ふりを装っていたが、内心は一刻も早く大喜びしたかった。

 碁を打ち終わると、彼は家族に勝利の知らせを告げに急いだ。 あまりに興奮

していたので門を潜る時敷居に躓き下駄の歯を折ってしまった。 その後“折屐”

は大喜びしている様子を形容するようになった。
[雑学]

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